能登半島地震からきょうで4カ月となる。被災地では復興への取り組みが進むが、動きはまばら。まだ厳しい状況に変わりない。「地震から4カ月経つが、あの日からまだ何も変わっていない」と、液状化で被害を受けた工場の経営者。震災の爪痕が残る石川県かほく市の被災企業を訪れた。
(藤浦修一)
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液状化で大きな被害が出たのは、かほく市の大崎地区や内灘町の室、西荒尾、羽咋市釜屋などの地域。ゴム入り細幅織物の一大産地だ。インナーやスポーツ、ユニフォーム部材から携帯ストラップなど副資材に使われ、産地の国内生産シェアは65%。関連する織布、撚糸、カバリング、染色などの工場が集積する。
七尾線宇野気駅から徒歩10分ほど、かほく市白尾台にある石川県ゴム入織物工業協同組合事務所。駅からこの周辺までは目立った震災の跡は見当たらない。ただ、ここから車で数分、大崎地区に入ると様子は一変する。道路沿いには傾いた電柱が何本も立ち並ぶ。住宅もほとんどが傾き、塀が崩れ、全壊、半壊、危険などの貼り紙が貼られている。撚糸やカバリング、織布、ニットの工場も多くが大きな被害を受けている。