ニッケはグループ会社で不織布・フェルトメーカー、フジコーの石岡工場(茨城県石岡市)に中古衣料からボタン、ファスナーなどの副資材を自動で除去する設備を導入する。本格稼働は25年2、3月ごろの予定。稼働後の反毛繊維の生産量は月産300トンで、現在の10倍になる見込み。
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フジコーは一関工場(岩手県一関市)で中古衣料を反毛して再原料化してきた。生産量は年間で約280トン。原料は自動車用部材に活用しているが、中古衣料から副資材などを除去する前工程の作業は人手に依存し、「コストが膨らみ、処理量は限定される」課題を抱えていた。
ニッケによると「中古衣料の反毛事業者は人手不足や人件費、物流費の高騰で減少傾向にあり、反毛事業者が近隣にない自治体は引き取り手がおらず、回収継続が困難になっているケースもある」ため、フジコーは副資材など異物の自動除去設備の導入を決めた。ニッケはフジコーの石岡工場を中古衣料の反毛化処理、再生の拠点と位置付け、「繊維製品の資源循環システムの維持・強化に貢献する」考え。