新潟、北陸で大雪の影響懸念 工場稼働も物流の状況注視

2021/01/13 06:30 更新


 先週1月8日から新潟や北陸では大雪が続き、富山、福井などでは記録的な積雪となった。テキスタイル関連企業が集まる北陸産地では、週明け12日の操業は目立った混乱は起きていない模様。ただし一部、出荷がストップしているところもあり、各社、物流への影響を注視している。

 福井県は11日に福井市内で1メートルの積雪となるなど、大雪に見舞われた。このため、福井県繊維協会は12日に予定していた繊維年賀会を中止した。

 福井市内に3工場を持つサカイオーベックスは、一時帰休を予定していた工場に加え、ほかの一部工場でも振り替え休業とした。幹線道路を除くと除雪が進んでおらず、一部の関係会社も振り替え休業措置をとった。ただし、18年の豪雪と比較すると今回は週末をはさんだことで混乱が抑えられ、入出荷も1、2日で正常化すると予想する。

 福井県あわら市に本社・工場・物流センターを構える細幅資材製造のSHINDOは、大雪の影響で物流が停止し、12日時点で商品の出荷が出来ていない。「天候及び物流状況が回復次第、順次商品を出荷する」。

 富山県南砺市の城端地区にある経編みの今井機業場は、先週から大雪が懸念されたため、8日午後と9日の稼働を急きょ停止した。従業員の出社が多少遅れたものの、12日から稼働を再開。物流については今後、乱れる可能性があり、状況をみていく。

 小松マテーレ(石川県能美市)は、10日から除雪作業を行い、11日には物流、原燃料供給も停滞なく稼働している。工場建屋の一部に風雪による軽微な損傷はあったものの、操業には影響ない。18年の豪雪の教訓から大雪に警戒し、企業や周辺自治体の初動はスムーズだったという。

 金沢市のカジグループは、積雪が最大60センチあったが、工場敷地内は除雪済み。福井、富山の積雪が多かったため、サプライチェーン間の物流停滞を懸念する。原料、製品の入出荷が遅れているが、13日以降、回復に向かう見通し。

 横編産地の五泉(新潟県)にある高橋ニットは、先週の一晩で1メートル近く積雪し、除雪作業が追いつかなかった。工場の室外機周り、工場周辺などを従業員が除雪し、工場稼働も部分的に止まった。今週は通常通り稼働しているが、物流の停滞で納品の遅延が起きている。



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