量販店向けレディスアパレルメーカーの中国生産に先行き不透明感が漂う。背景は日中関係の悪化。現状では大きな混乱はないものの、今後影響が出てくると指摘する声も出ている。
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タキヒヨーは、日中関係悪化による中国生産について現状「影響はない」とする。社員の出張制限はなく、中国からの来訪も変わらない。現地駐在員によると日系イベントの中止などはあったが、生活に影響はないという。同じくクロスプラスとエフビー、万兵ファッションクリエイトも同様に「影響はない」。
ただ、今後の中国生産を懸念する声も出ている。千種は、中国工場が欧州や米国などのオーダーを少しずつ増やし始めていると指摘。欧米のオーダーは日本と比べると数量が大きく、この流れが強まると生産能力や納期に悪影響を与える可能性もある。千種が中国で生産するQR対応が求められる商材、オケージョンのスーツ類などは中国から他国への生産変更は難しいものの、ASEAN(東南アジア諸国連合)工場との使い分けを模索する。
エフリードは、物作りに直接的な影響が出ているわけではないとしながらも、「工場関係者などの来日が少し減っているように感じる」。ロットや品質、納期、為替変動を考慮しながら、慎重に第三国生産とのバランスを取っていく。取引先から、生産地を変えてほしいといった要望はない。
旭屋は、フェリーや航空の便数が減っており、短納期を求める取引先にとっては影響があると指摘する。