経産省 新型コロナの緊急経済対策で8兆3200億円計上

2020/04/09 06:27 更新


 経済産業省は新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策として、20年度補正予算案で8兆3193億円(うち内閣官房計上22億円、財務省計上1兆7512億円)を計上した。今年度当初予算額(臨時・特別措置を除く)の1兆2719億円を大きく上回る。

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 感染拡大防止と医療提供体制の整備、治療薬の開発に227億円、コロナの影響を受けた中小・小規模事業者の資金繰り対策に3兆7485億円、事業継続支援策に2兆4276億円を充てる。加えて、「コロナ終息後の経済活動の回復」を目的に、観光、運輸、飲食、イベント・エンターテインメント業者、商店街を支援するため、クーポン券の配布などを行う官民一体型の消費喚起キャンペーン「Go・To・キャンペーン」を終息後に実施、1兆6794億円を計上した。地域経済活性化やサプライチェーン改革なども強化する。

 感染拡大防止策と医療提供体制の整備は不足しているマスクとアルコール消毒液、人工呼吸器などの生産設備導入を補助する。繊維関連メーカーが生産するマスクや防護服もクリーンルームがあるなど環境が整備され、技術力などが認められれば、補助の対象となる。

 資金繰り対策は、2月と3月に前年度予算予備費などで計上した総額1兆6000億円(財務省計上含む)の施策に続く第3弾。対象の事業規模で35兆円以上を想定する。政府系金融機関の日本政策金融公庫と商工組合中央金庫の低利融資、特別利子補給制度による実質無利子、無担保、元本返済据え置き期間最長5年間の融資枠として、12兆6000億円の融資枠を確保。

 加えて、前年度予算予備費で措置した小規模事業者経営改善資金の低利融資も別枠1000万円の融資を上限に、実質無利子にする。さらに、都道府県による制度融資を活用し、実質無利子・無担保・返済据え置き最長5年間の融資を民間金融機関に拡大する。

 事業継続支援策では、直近の売上高が前年同月比50%以上減少している資本金10億円以下の事業者向けに「持続化給付金」2兆3176億円を充てる。法人は200万円、個人事業者は100万円を上限とし、前年の総売上高・事業収入から、最も減収幅が大きかった月の売上高に12を掛けた額を差し引いた額を給付する。さらに、政府系金融機関の中小企業基盤整備機構が中小企業の生産性向上を支援する「生産性革命推進事業」で前年度補正予算額3600億円に加え、700億円を計上した。生産設備導入を補助する「ものづくり補助金」、IT導入補助金の補助率を現行の2分の1から3分の2に引き上げる。

 コロナ終息後の活性化策として、Go・To・キャンペーンのほか、地域産品の販売拡大や地域一体でのキャッシュレス決済導入支援に25億円を計上。特定国に生産を依存する製品の生産拠点の多元化のための投資を補助するサプライチェーン改革に2486億円を充てる。また、昨年10月に開始し、今年6月まで実施する中小・小規模事業者向けの「キャッシュレス・ポイント還元事業」も「多くの店が参加している」ことから、755億円計上。前年度当初・補正予算と合わせた予算額は7755億円となる。

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