日本と中国の3企業 業界団体にマスク2万枚を寄贈

2020/04/17 06:25 更新


寄贈された2万枚のマスク

 「お世話になっている日本のファッションビジネス業界に少しでもお返しがしたい」。日本と中国でファッションビジネスに関わる三つの企業がこのほど、日本ファッション・アパレル産業協会と関西ファッション連合にマスクをそれぞれ約1万枚ずつ合計2万枚を寄贈した。一部は医療機関にも贈られる。寄贈したのは、裏地メーカーの蘭美人織物(上海)、日本向けODM・OEM(相手先ブランドによる設計・生産)企業のシーエフインターナショナル、ライブコマースで日本ブランドを中国向けに販売するリンワン。

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 発案は、蘭美人の社長で「売り上げの80%が日本向けで、お世話になっている業界に感謝の意味でも何かをしたい」(日本営業責任者の徐春益さん)とシーエフに相談したことから。シーエフも「10年以上日本で業界の皆さんにお世話になってきた。蘭美人から連絡を受け、マスクが足りないので中国で購入して送ったらどうかと提案」(許虎社長)。許社長は高校の後輩である、リンワンの崔萌芽社長にも相談し「アパレルの現場の方が困っている状況を何とかしたい」と、一緒に取り組むことにした。

 寄贈先は繊研新聞社に相談し、業界団体に打診した結果、2団体となった。寄贈に対して、日本アパレル・ファッション産業協会の長谷川裕治専務理事は「ほぼ全会員が、中国とは生産全般の拠点として、また大きな市場として長年にわたり密接なつながりを持っている。縁のある中国の企業からマスクを賜ることは非常にありがたい。希望企業を募り、なるべく早く送付したい」とコメントした。

 関西ファッション連合の中村房雄理事長は「販売員の皆様は常にリスクと隣り合わせの状況。マスクの品薄状況が続いており、今回のご支援は店頭関係者の安心・安全な環境整備の大きな助けとなる」と述べた。

 3社は今後も日本との関係を強化する。蘭美人は「レースや副資材などの商材もあり、日本向けのアイテムを広げ、これまで以上に貢献したい」。シーエフは「蘭美人と合弁などの形で日本に事務所を作りたい。人の移動が難しい時期で、バイヤーが中国に出張しなくても商談が可能になる」という。リンワンは「中国向けのライブコマースを微博(ウェイボー)経由で展開し、日本の20ブランドを中国向けに販売している。今後はインスタグラムで日本向けのライブコマースも始めたい」と計画している。

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