新型コロナウイルスの感染拡大、緊急事態宣言の影響で、新年度の授業開始が遅れている服飾専門学校の間で、在学生に支援金給付などを行う動きがある。オンライン授業のインフラ整備に活用してもらうだけでなく、保護者の家計の急変、アルバイト収入が大きく減って経済的困窮に直面する学生が増えている状況を考慮したもの。
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関西ではいち早く3校が支援金を決定。上田安子服飾専門学校などを運営する上田学園は、遠隔授業環境整備特別支援金として、在校生全員に一律5万円の支給を決めた。パソコンやWi-Fi機器などのオンライン授業受講に対する環境設備に活用してもらうもので、5月中旬をめどに順次支給していく。
大阪文化服装学院を運営するミクニ学園も、5月中に在校生全員に緊急奨学助成金を給付する。5月からオンラインなどを利用した遠隔授業を導入することから、学生にインターネットの利用環境を整えてもらう。このほかにも学費の延納や奨学金の増額または新設なども検討している。マロニエファッションデザイン専門学校は、学生が自宅で遠隔授業を受講できる環境を整え、学習生活が安心しておくれるように緊急支援金を給付する。
名古屋ファッション専門学校は、緊急就学支援金として10万円を一律支給するほか、困窮家庭を対象とした学納金半額支給を決定している。
給付は各学校が独自に決めたもの。緊急事態宣言が5月31日まで延長されたことを受け、専門学校の多くが再度授業開始を延期したり、オンライン授業の導入を積極化している。