服飾専門学校では、新型コロナウイルスの感染拡大や4月7日の緊急事態宣言を受け、新年度の授業開始を延期したところが目立つ。大都市にある学校の多くが休校中で、5月の連休明けから学内での授業をスタートする予定だ。遅れを挽回し、学生のモチベーションを下げないため各校は様々な対応をしている。
主な専門学校の始業または授業開始予定は表の通り。多くの学校が入学式を中止し、授業の開始を延期している。こうした中、エスモードジャポンは教室での授業開始は延期したものの、すでにオンラインでの授業は実施中だ。
文化服装学院も「授業再開がいつになるか不透明なので、オンラインやズームを活用した授業を検討中。できるところから準備を進めている」。香蘭ファッションデザイン専門学校や大村美容ファッション専門学校は、新入生と在校生の時差登校を導入する。
遅れを取り戻す方法については、多くの学校がスケジュールを見直ししている。夏季休暇の短縮を計画・検討するところが多く、土曜日の活用、冬休みや春休みの短縮まで検討する学校もある。名古屋ファッション専門学校は「夏季休暇は9月の1カ月に短縮し、8月はお盆休み以外は授業を行う」とする。
1カ月延期されたことで、学生のモチベーションの維持も重要になる。ドレスメーカー学院や大阪文化服装学院などは、学生に課題を送ることで、スムーズな授業開始を目指している。ドレスメーカー学院はSNSを利用して教員と学生が情報を共有し、授業前講座も配信する予定だ。名古屋ファッション専門学校は学生にメールを通じて課題を与えるように切り替えた。エスモードは学生とLINEで連絡が取れる環境を整え、問題があればすぐに対応できるようにしている。
コロナ禍で新年度の遅れへの対応を急ぐ各学校だが、4月に予定していたオープンキャンパスを中止するなど、影響は21年度の入学者対策にも出ている。上田安子服飾専門学校や大阪文化服装学院はオンラインで進学相談会を実施する。
21年春卒業予定の学生の就職支援については、就職情報を学生に一斉配信したり、メールや電話で対応したりしている学校が多い。エスモードはこちらについてもオンラインで対応している。
16日には政府の緊急事態宣言が全国に拡大された。最初の宣言の対象となった7都府県以外の学校は例年通り新年度を迎えていたが、こうした学校も新たに休校するところが増える見通しだ。