新型コロナウイルスの影響によりバングラデシュの多くの縫製工場で操業停止が続いている。4月6日にはシェイク・ハシナ首相が首都ダッカやニット工場の集積するナラヤンゴンジなどのロックダウン(都市封鎖)を発表、衣料品生産と輸出への影響は避けられそうにない。バングラデシュ政府は3月26日~4月4日、行政機関や民間事業者の業務停止を行ったが、11日まで延長。縫製工場に対しては14日まで操業停止の延長を要請した。
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最大の業界団体、BGMEA(バングラデシュ縫製品製造輸出業協会)によると、6日午後5時(現地時間)までに1115工場が操業を自粛。輸出オーダーのキャンセルは3億400万ドル、9億5200万ピースに上る。また219万人の労働者に影響が出ているとし、女性を中心に約400万人が就業する縫製業の停滞が社会や生活に影響を与えている。
BGMEAは3月までの賃金を保証する声明を出し、海外のバイヤーに対しオーダーをキャンセルしないように呼びかけも行っている。海外からのオーダーや防護服などを生産する工場は安全に考慮しながら操業を認めているようだ。ロックダウンで物流もストップするため、業務の停滞は免れられない。先月26日の業務停止以降、労働者がダッカを去り、出身地などに戻っているとの現地報道もある。