2月28日に始まったイランに対するイスラエルとアメリカの攻撃により、イランの最高指導者であるハメネイ氏が死亡した模様だ。イランはサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などへの報復攻撃を続け、周辺国に戦禍が及ぶ。日本の繊維にとって、中東は古くから民族衣装用の生地輸出の重要な仕向け地であり、影響が懸念される。
(高田淳史)
東レは、RO膜エレメントなどを製造するトーレ・メンブレン・ミドルイースト(TMME)をサウジアラビア・ダンマームに持つ。東洋紡グループは、サウジアラビアや周辺国に向けた海水淡水化膜の扱いがある。
東レグループは、サウジアラビアやUAEに拠点を持つTMMEや蝶理中東などグループで4拠点、13人の駐在員がおり、人的・物的被害はない。TMMEの工場は通常稼働中。現地駐在員には2月28日付でUAEは退避指示、サウジアラビアは在宅勤務を指示した。エジプト、イラク、アルジェリアに拠点を持つが駐在員はいない。
中東の民族衣装生地や海水淡水膜などを扱う東洋紡グループは、従業員に向けてイランやイスラエルへの出張禁止、出張時のホテルや航空会社でアメリカ系を避けるなどを注意喚起する。事業への影響は判断できないが、状況が長引けば物流、原燃料価格に影響が出ると見る。
民族衣装生地を販売する一村産業は、関係先社員の安否確認を進めており、日本人の無事を確認した。
海上輸送の要衝であるホルムズ海峡が封鎖状態にあり、物流面でも影響が大きい。中東にビーズを輸出する松野工業によると、顧客の動きはまだ無いが、今向かう船は途中で待機している。海運会社からは新規のブッキングを停止するとの連絡が来たという。