僕たちが目指すのは世界一のスポーツテックカンパニーです。それは、売り上げなど型にはまったものではなく、極めて高い価値で規模の大きな存在を凌駕(りょうが)するという意味です。そのためには唯一無二の存在になることが大切。たくさんのアスリートに「アドエルム」を使ってもらい、このテクノロジーがもたらす価値を共有し、分かち合う人を増やしていきたい。
会社の創設から「エクスパンド・ユア・ポッシビリティーズ」(あなたの可能性を広げる)という理念を掲げています。これに対して「シュリンク・ザ・ワールド」(世界を縮める)という裏テーマがあります。「可能性が広がれば、世界は縮まって誰とでも会えるようになるし、色んな価値を分かち合えるよ」っていうダブルミーニングを込めているんです。とはいっても最近は「可能性を広げる」ことばかり考えていたな、と。だから今年のテーマは〝分かち合い〟。面白いことをいっぱい仕掛けていきます。
僕の物作りの根源は、やりたいことに一生懸命没頭すること。僕にとってのヒーロー(アスリート)のために物作りをしたいと没頭していた時、たまたま生まれたのがアドエルム。根源って小さな火の玉みたいなものだと思います。小さくても一生懸命に燃えている。その火がもたらす何かに魅力を感じる人たちが少しずつ集まり、「この火を絶やさずにいよう」って呼びかけてくれて、広がり、その火がいつか大きくなればいいなと思っています。
(アドエルムテクノロジー代表取締役会長)
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「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。