「オゥパラディ」は08年に四つの香水からスタートしました。当初からリサイクル、リユースは重要なコンセプトの一つ。詰め替え可能な香水瓶とレフィルを作り、不要になった空き瓶は店で回収、ガラス工場に戻し再利用しています。工場への送料は全て弊社が負担。エコは手間もコストもかかりますが、取り組まねばならない最重要課題と捉えています。
ちなみにオゥパラディ立ち上げ前には海外ブランド香水の販売をしていました。90年代後半、コギャルたちから香水のブームに火がつき、日本の香水市場は数年間で拡大しました。その頃の香水瓶はスプレー部分をガラス瓶にかしめたものがほとんどで、分別が困難なゴミとなりました。「これらが埋め立てられていくのだとしたら」と思うとゾッとする思いでいました。そんな思いを背景に、エコにこだわった物作りを始めましたが、当時は少々過激とも思われる環境活動を目にすることがあり、「環境のために」と声高には言いづらい雰囲気を感じていました。そこで押しつけにならず「さりげないエコ」を心がけることにしました。そのスタイルは、今も取り組みのベースになっています。
昨年、一歩進んで香水の量り売りができるようにしました。その量り売りのシステムを進化させることと、プラ容器の削減が喫緊の課題です。私たちの取り組みは小さな点に過ぎません。でも小さな点が集まれば、やがて大きな面に広がっていく。お客様の環境への意識の高まりを感じる度に、その思いは強くなっています。
(エストインターナショナル社長)
◇
「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。