《私のビジネス日記帳》20年間継続できた理由 槇本加代

2022/07/06 06:25 更新


 会社をスタートさせた数年間は、私もスタッフと共に汗だくで商品の出荷をした毎日。帰る頃には部活をし終えたように「あー疲れたぁ」と笑いながら皆で飲みに行った楽しい思い出。年々、スタッフも増え女子ばかりの会社ならではのもめごとも常々(笑)。このささいなもめごとは、器の小さな自分が鏡に映ったようにも見える。

 いい仕事は、私生活や心の安定から生まれる。自然を感じたり、仲間と楽しい時間を体験することで良い仕事につながり、感性も磨かれる。残業せずに、仕事帰りや休日も楽しんで欲しいと言い続けてきた。

 不得意なところは受け入れ、得意なところを生かし、仕事は完全に任せるようにしてきた。反省点もあったけれども、それぞれが責任感を持ち、着実に成長をしてくれた。3年前入社した彼女もまさにそれだ。自信がなかった19歳の彼女が日々の成長の中、今はしっかりと自分のデザイン、意見をはっきり提示できるようになった。キラキラした笑顔に私は安心感、幸福感が混じったようなうれしさを感じる。

 今年3月、創業20年目を走り出した。人の性格や素質、才能は十人十色。良いところを伸ばしてあげたい。悪いところは目をつむるんじゃなくて、見て流す癖が勝手にできた。だって100%の人なんていないから…スタッフを愛することで踏ん張れた20年。未熟な私が成長し会社を継続できたのは、まさに皆の成長のお陰であると思う。そしてこれからも皆と共に成長し続けたい。

(フィオールフィオーレ社長)

「私のビジネス日記帳」はファッションビジネス業界を代表する経営者・著名人に執筆いただいているコラムです。

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