「テントの周りには」「まとわりつく鈴の音」など『山怪』から5本を朗読した
真夏の金曜の夜、閉店後に怪談話はいかが――黒テントで知られる「ムラコ」を製造・販売するシンワは先日、東京・立川の複合施設グリーンスプリングスに構える直営店内で怪談の朗読イベントを初開催した。閉店後の午後7時からユーザー10人を無料で招待。「ドラえもん」で源静香の声などを担当する声優のかかずゆみさんが、登山やキャンプ、里山を舞台にした怖い話を朗読した。
「身の毛もよだつ怖い話を聞くと、キャンプに行きたくなくなるかもしれません…」。能面をつけた謎の人物が開会を告げ、薄暗い空間で朗読が始まった。岩登り中に葬式のような香りがしたという体験談では実際に線香がたかれ、参加者もその世界に入り込む演出を凝らす。単独登山中、ずっと鈴の音がまとわりついてきた話では、会場後方から鈴の音が鳴り響いた。
今回の「ブラックホラーフライデー」イベントは、「ムラコを象徴する『黒』に絡めたコンテンツ」として、村上卓也社長CEO（最高経営責任者）が長年温めてきた企画だ。朗読するエピソードは、里山で暮らす人たちが遭遇した奇妙な体験をまとめた『山怪』（山と渓谷社刊）から選んだ。今後、同企画を「細く長く続け、キャンプ場などでも開催したい」（村上社長）という。
