【ミラノ=青木規子】例年より1日早まった18~19年秋冬ミラノ・コレクションは、「モンクレール」の新プロジェクトの発表から始まった。「モンクレール・ジーニアス・ビルディング」と題した新しいコンセプトの企画で、八つのコレクションを見せた。
コレクションラインの「モンクレール・ガムルージュ」と「モンクレール・ガムブルー」は昨年11月で終了。今回から新プロジェクトを柱に、PRもセールスも戦略的に進めるとして、その意気込みを感じさせる初のプレゼンテーションだった。
巨大な会場に銀色の大きなテントなどを八つ設営、それぞれを回遊しながら見る趣向。中心に建てた1番目のテントに並んだのは、「ヴァレンティノ」をデザインするピエールパオロ・ピッチョーリによるダウンのイブニングドレス。ニュアンスカラーの絶妙なバランスでモダンに仕上げた。
コムデギャルソンが販売する「ノワール・ケイ・ニノミヤ」とのラインはもちろん黒一色。小さなコサージュをびっしり飾った得意の装飾をダウンで仕立てた。ロンドンのシモーン・ロシャはスイートなフリルドレスに毒気をプラスする、いつものスタイルをダウンで表現。メンズで人気のクレイグ・グリーンは、バルーン状に膨らむコンセプチュアルなルックを見せた。
ストリート系に特化した点も見逃せない。藤原ヒロシ率いる「フラグメントデザイン」との協業ラインは、古いロゴを使ったクールなストリートスタイル。スケーターブランドの「パーム・エンジェルス」はカジュアルなジャージーアイテムなどを作った。メインコレクション「モンクレール1952」や機能に特化した「モンクレール・グルノーブル」は、色柄が主役のカジュアルなデザインが揃う。
これらは全て販売する。店頭で常時メインコレクションを販売し、ひと月ごとに各ラインを加え、様々なターゲットにアプローチする。今回取り組んだデザイナーとの協業は、長期的に続く計画。他のデザイナーが加わる可能性もあるという。