伊勢丹新宿本店メンズ館は23年秋冬、本物志向の消費傾向で客単価が高くなっていることを受け、よりラグジュアリーな商品を揃える。同館の20周年を記念した別注アイテムや新規扱いブランドも打ち出す。
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ドレスアイテムは「タリアトーレ」などの伊ブランドのカシミヤ100%のジャケットを拡充。「仕立てと生地は軽めが好まれるが、トレンドはクラシックな色柄」と見て、チェックなどの英国風の柄のアイテムをメインに据える。
オリジナルブランド「イセタンメンズ」は着心地の軽さと立体感のある端正な仕立てが両立した〝北イタリアスタイル〟のスーツが主力だ。中心価格約10万円。国内産地のションヘル織機で織られた少量生産の生地を採用し上質感をアピールする。
カジュアル軸では需要が高まっている「チンクワンタ」「エンメティ」などの柔らかいラムレザーのジャケットを強化するほか、「セラファン」など高額なムートンジャケットも提案する。
カシミヤのニットも強化する。奥山メリヤスのオリジナルニットブランド「バトナー」に別注したニットは定番の畦(あぜ)編みをベースに素材をカシミヤ100%にしたぜいたくな仕様。ベビーカシミヤをたっぷり使った厚手ながら軽い着心地の「ピセア」のローゲージニットも推す。
新規で取り扱うのはオーストリアの老舗コートブランド「シュナイダー」のアイテム。貴族が狩猟の際に着たコートに由来する定番商品「ローデンコート」やクラシックなウール・カシミヤのマントを揃えた。