生体情報を検知できるニットウェア

2016/12/13 06:45 更新


 導電性繊維の製造販売が主力のミツフジ(京都府精華町)は、ウェアラブル製品の総合ブランド「hamon」(ハモン)を立ち上げた。第1弾の製品として、アパレル型生体センサーを無縫製横編み機「ホールガーメント」(WG)で開発し、12日に発売した。小型トランスミッターとソフトウェア、クラウドサービスも自社開発し販売する。

 アパレル型生体センサーは、同社の銀メッキを施した導電性繊維「AGposs」を使い、電極と配線で生体情報を検知できるニットウェア。着用ストレスを軽減するためWGを活用した。

 センサーで取得した情報を無線でスマートフォンなどの端末に送る小型トランスミッターをウェアに搭載して使うことで、心電のほか、加速度、ジャイロ情報など物体の速度変化や傾き、方向などが分かる。参考価格はウェア1万円、トランスミッター1万5000円。

 

「ホールガーメント」で作ったアパレル型生体センサー
「ホールガーメント」で作ったアパレル型生体センサー

 

 製品とともに、自社および協力企業が持つアルゴリズムを利用して開発したソフトウェアと、クラウドサービスを連携したIoT(モノのインターネット)サービスも提供する。サービスの一例としては、パナソニックと共同で提供する「従業員健康管理&見守りシステム」がある。

 従業員の睡眠時の心拍、呼吸、寝相などのデータを基に、アルゴリズムで総合的に判断した睡眠の状態を可視化する。17年には、長距離トラックや電車の運転手などの業務中の眠気を検知する危険防止見守りサービスも販売する予定だ。

 三寺歩社長は「ウェアラブル総合メーカーとして、IoTソリューションで日本の社会課題を解決し、健康で安心して暮らせる社会づくりに貢献する」という。福島県川俣町にはウェアラブル製品の一貫生産工場を立ち上げる。17年11月に第1期棟、翌年には研究施設を含む第2期棟が完成する予定だ。



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