ミッソーニ共同創業者ロジータ・ミッソーニさん死去

2025/01/06 06:26 更新


ロジータ・ミッソーニさん

 【ミラノ=高橋恵通信員】「ミッソーニ」の共同創業者で名誉会長のロジータ・ミッソーニさんが亡くなった。93歳だった。

 1931年、イタリア北部ヴァレーゼ県ゴーラセッカで、ガウンやストールを製造する企業の家に生まれた。53年、夫のオッターヴィオ・ミッソーニと共に、同県ガッララーテ市にニットウェアの小さな工房を設立し、「ミッソーニ」スタイルの基礎を築いた。58年にデビューコレクション「ミラノ・シンパシー」をミラノで発表。66年にミラノのジェローラモ劇場で、初のファッションショーを開催。67年にはフィレンツェのピッティ宮で、透けるドレスなどの「ヌード・ルック」を発表し議論を巻き起こした。68年、米国版「ヴォーグ」誌に色彩などを評価され、米国市場に進出。その後、ブランドのアイコン柄のジグザグ模様、花とストライプの組み合わせ、波模様、スラブ糸、幾何学的パッチワークなどを次々と発表した。2014年には、伊共和国功労勲章を受章している。

 92年の広告キャンペーンには、家族3代が揃って「ミッソーニ」を着た写真を採用した。2003年のブランド設立50周年のショーのフィナーレには、約200人の生産現場の従業員が白衣姿で登場。イタリアらしいファミリービジネスや温かさを象徴した。

 ファッション部門は、97年に長男ヴィットリオ(13年に死去)、次男ルカ、長女アンジェラが引き継いだ。ロジータさんは、ホームコレクションの監修を担当していた。2018年に伊の投資会社FSIに株式の41.2%を売却。現在、ルカは同ブランドアーカイブのディレクター、21年にクリエイティブ・ディレクターを退任したアンジェラは社長を務めている。



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