婦人服製造卸の三澤と大阪文化服装学院 共同企画のTシャツをゾゾタウンで販売

2024/06/07 12:00 更新


製品化された自分のデザインTシャツを着た大阪文化服装学院の学生

 婦人服製造卸の三澤(大阪市)は6月8日から、自社サイト、ゾゾタウンの自社EC「ユニットラボ」で、大阪文化服装学院の学生と共同企画したTシャツ「ユニットチェスト」を販売する。

(津田茂樹)

 Tシャツは6.3オンスの綿天じくで白、黒の2色、S、M、Lサイズ。全面や背面に学生やイラストレーター、インフルエンサーらのデザインをプリントする。プリント方法で価格が異なり、シルクスクリーンは税抜き2400円、インクジェットは2700円。

 クリエイティブフュージョンをコンセプトに、様々なクリエイターの感性をプリントで表し、独創的な世界を見せる。エイジレス、ジェンダーレスに、見て、選んで、着て「楽しい」Tシャツであることにこだわる。

 ユニットラボではロゴプリントのTシャツを販売しているが、「アパレルメーカーの企画だと『売れるもの』を意識し、無難で飽きられるデザインにしてしまう」(高木宏直三澤執行役員)。そこで多様なデザインが混在して面白みのあるものと企画を始めた。プロが思いつかない発想や新しい感性を求め、大阪文化服装学院に協力を持ちかけた。

 加藤圭太大阪文化服装学院副校長は、「商品化に至る企業との協業は少なく、プロを目指す学生にとって得がたい経験になる」と、この申し入れを即断。Tシャツ限定のこの企画には、学科を問わず、多くの学生が参加した。良い競争が生まれ、同校の総合力を向上させる期待もある。

 ユニットチェストは年間4シーズン企画する。初回販売ではインフルエンサーやプロの創作が混在する計26デザインのうち、学生からインパクトや独自性が評価された11デザインを採用した。誰のデザインかを表すアカウントもプリントされるので、採用された学生にはキャリアとして就職活動などでPRできる。

 学生の作品の販売収益は、販売開始から90日間の売り上げに応じて、大阪文化服装学院に還元される。販売データは学生と共有し、その分析はSNSを使った商品の情報拡散や、販促、MDなどのファッションビジネス学習などの授業に取り入れることも視野に入れている。

 学生からは「ゾゾタウンで販売されるのがうれしい」「自分のPRになる」などの声が聞かれた。今回採用された11人は全員、次シーズンも応募する意向を示している。

 高木執行役員は「売れるに越したことはないので、販促活動も積極的にするが、まずはどのような結果が出るのかが楽しみ。学生の商品の中から、数万人のフォロワーがいるインフルエンサーを超える実績が出れば、なおさら楽しみになる」としている。



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