24～25年秋冬ミラノ・ファッションウィーク　広がるテーラーリング

　【ミラノ＝小笠原拓郎、青木規子】24～25年秋冬ミラノ・ファッションウィークは、引き続きテーラーリングのバリエーションが広がった。マスキュリン＆フェミニンの表現が広がるなか、テーラードジャケットやタキシード、テーラードコート、パンツスーツといったアイテムは欠かせない存在だ。フラノやメルトン、ヘリンボーンなどメンズライクな素材も広がっている。

　ボッテガ・ヴェネタのショー会場に入ると、日本の焼杉の手法を使ったフローリングと椅子が並び、人工的なサボテンのオブジェが置かれている。作り込まれた空間に登場するのは、落ち着いた色の量感のスタイル。アウターやドレスにはマチュー・ブレイジーが得意とする、シームを外側に出して造形していくデザインが取り入れられている。バイカラーのドレスは2枚の布をアウトシームでつなぎながらアシンメトリーなラインを作る。たっぷりとしたコートも袖からヨークにかけてのアウトシームの布の動きが、そのまま量感となって造形を描く。