【ミラノ=小笠原拓郎、青木規子】24年春夏ミラノ・コレクションは、ボリュームのコントラストがトレンドだ。たっぷりとしたシルエットのシャツやジャケットに、コンパクトなショーツやミニスカート。小さなボトムはアウターにすっぽりと隠れる。脚をすっきり見せるスタイルが目立っている。
(写真=プラダ、トム・フォードは大原広和)
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プラダのショー会場に入ると、床はスチールが敷き詰められている。ショーが始まるとランウェー中央にスライムのカーテンが垂れ下がり、そのスライムはスチールの床にどろどろとしたピンク色の飴(あめ)のようなものとなって積もっていく。観客は、そのスライムのカーテンの周りを歩くモデルを見るという趣向だ。
それは6月のメンズコレクションで見せたのとほぼ同じ演出。そしてテーラードジャケットをタックインするスタイルも、メンズコレクションの延長線上にある。テーラードジャケットという男性らしさの象徴ともいえるアイテムが、スライムのように流動的にシャツのようなアイテムへと変容していく。男性らしさの概念がどろりと緩和され、ジェンダーの境界も流動的になっていく。
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