三井物産アイ・ファッション 高級ダウンで販路開拓

2019/10/28 06:28 更新


 三井物産アイ・ファッション(MIF)は、輸入販売するダウンウェアの2ブランドで順調に販路を広げ始めた。カナダの「クオーツ」とロシアの「アークティックエクスプローラー」はいずれも中心価格帯が10万円前後の〝高級ダウンウェア〟のゾーンだが、高い機能性とデザイン性が有力なセレクトショップから注目されている。18~19年秋冬に一部の店舗で販売が始まり、ほぼ完売した。今秋冬は販売店舗数と受注数量が拡大している。

 クオーツはケベック州モントリオールのブランド。カナダ産ホワイトダックのダウンを使って現地で生産している。スマートなシルエットとクリーンな印象のデザインが特徴で、女性を中心に顧客を増やしている。来年は5周年を迎え、モントリオールに初の旗艦店をオープンする予定だ。日本では昨年、約10店で販売を開始し完売した。来年に向けては有力な販売網を持つ代理店を通じ、さらに販路を広げる。原料やアパレルOEM・ODM(相手先ブランドによる設計・生産)を得意とするMIFのノウハウを生かし、物作りでも協業する可能性もある。

カナダのモントリオール発「クオーツ」

 アークティックエクスプローラーは、北極探検家のアルトゥール・チリンガロフ氏の娘であるクセニヤ・チリンガロフ氏が13年に創業。商品はロシアのモスクワ近郊で熟練の職人が縫製する。日本では一部の有力セレクトショップで販売を開始し、ほぼ完売。今秋冬は販売店舗数が増えたほか、地方のセレクトショップにも販路が広がり、受注数量は倍増した。

 いずれのブランドも「しっかりとブランドの背景と特徴を伝え、じわじわと長く売り続けることができるよう」マーケティング戦略を組み立て、販売パートナーや消費者とのコミュニケーションを強化する。



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