経済産業省は3月18日に産業構造審議会(経産相の諮問機関)製造産業分科会繊維産業小委員会(新宅純二郎委員長=東京大学大学院教授)の第10回会議を開き、繊維製品の「環境配慮設計」のガイドライン案を示した。これまでの繊維産業の資源循環施策に関する有識者会議で、環境配慮に関する表示ルールや評価基準の未整備が課題として挙がったことを受けたもの。
事業者が取り組むべき環境配慮設計項目として、①環境負荷の少ない原材料の使用②GHG(温室効果ガス)排出抑制、省エネルギー③安全性への配慮④水資源への配慮⑤廃棄物の抑制⑥包装材の抑制⑦繊維くずの発生抑制⑧長期使用⑨リペア・リユースサービスの活用⑩リサイクルしやすい「易リサイクル設計」⑪再生資源を使用しているかなどの「繊維製品のリサイクル」を設定し、それぞれの評価基準と評価方法を示した。廃棄物の抑制では「適量生産による製品量の抑制」「ファッショントレンドの把握などによる在庫削減」などを評価基準とした。
案は委員会での意見などを踏まえ、近く正式なガイドラインとして策定する。「事業者はこれに基づいて、環境配慮のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルを回してほしい」(田上博道製造産業局生活製品課長)とする。「今後は規格化も検討」し、24年度から26年度までにJIS(日本産業規格)化、27年度から28年度までにISO(国際標準化機構)規格化を目指す。