「アパレル企業は産地をしっかり回ってほしい」と経済産業省で、繊維・アパレル業界を所管する製造産業局生活製品課の田上博道課長。国内産地の縫製工場などから、「経営トップをはじめ、アパレル企業の関係者が産地にほとんど来ない。物作りの現場をちゃんと見てほしい」との不満の声が相次いでいるという。「アパレルが産地の状況を把握し、声を聞かなければ、業界の課題は解決しない。(アパレルが産地にあまり行かない姿勢を)変えていかなければならない」と強調する。
(有井学)
【関連記事】経産省の伊吹製造産業局長 「DX、GX、経済安保」対応へ支援強化
経産省は、今年に入り、繊維産地でのセミナーや意見交換会を積極化している。主に、外国人技能実習制度の理解促進と、業界から要望が多い「特定技能」への繊維業の追加の「前提」となる実習生に対する長時間労働の強制や割り増し賃金不払いなどの「法令違反」を防止するのが目的だ。意見交換会は田上課長らが出向き、岐阜県や東北、中国、四国の各県など「縫製工場が特に多い」地域で実施。法務省や厚生労働省の関係者のほか、日本繊維産業連盟の富吉賢一副会長も同行し、繊産連が昨年7月に策定した繊維産業の人権対策に関するガイドライン「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」の浸透も図っている。
この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。
すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!