障害者のアート作品の事業化や、雇用支援の活動がファッション業界でも目立ってきた。有名なところで言うと「ヘラルボニー」だが、この間、記者が取材しただけでもほかにいくつかある。宇都宮市内で就労継続支援事業所を運営するトモスカンパニーによる刺し子ブランド「テラス」や、障害者就業支援のスタートラインによる靴磨きサービスなどだ。
補助金頼りになってしまう事業所もある中、テラスは「継続的に支援する場を守るためには、経済的な自立が不可欠」として、「福祉×クリエイティブ」で新たな価値を生み出す。24年には東京・原宿の商業施設ハラカド内に直営店を出店。外国人観光客などからも好評だったことから、海外市場の開拓にも力を入れている。
日本皮革製品メンテナンス協会でも、26年度から障害者アートの事業化に取り組む。同協会の小澤廣幸会長は「1人のアーティストと組み、消費者の心を揺さぶるような商品を開発することが大事。その結果として支援につながる。そのためにも業種・業界を超えて活動の輪を広げていきたい」と話す。
共通するのは「まず消費者に手に取ってもらえる商品を作ること」。その後に生産した背景をしっかりと伝え、社会問題を考えるきっかけになれれば、事業も継続できるはずだ。ファッションの力で、そうした循環の構築を期待したい。
