《めてみみ》失われた相場観

2024/03/07 06:24 更新


 日経平均株価が4万円台に突入してきた。一方、久々に出張した香港では株価は低迷し、景気は「あまり良くない」という。

 香港企業からは「日本は株が上がり続け好景気だよね?」と聞かれ続けた。「株高と市民の景況感とは乖離(かいり)がある。インフレに賃上げが追い付かず、実質賃金は下がり消費に勢いがない」と説明したが納得しない。

 「昨年日本のファッション業界は良かった。今年は株高を追い風にさらに良くなる。日本のファッション業界の人たちはどう見ている?」と聞いてくるアパレル企業のトップに対し、「在庫を減らして収益を高め、昨年はコロナ禍からのリカバリー消費もあって堅調だった。しかし今年は追い風もやみ、厳しく見る向きが強い」と答えた。

 すると「株価が史上最高値を更新し、売れ行きも良いのになぜそんなに悲観的なのか。私は伸びると思う」として、堅調な日本向けOEM(相手先ブランドによる生産)をさらに伸ばすという。「香港の金融関係者は日本は良いと言っている。株高の半年後には好景気がくる。日本人は失われた30年でそうした相場観もなくしたのでは」と指摘された。

 景気が良くなるかはわからないが、日本経済が新たな局面に入ったのは確か。悲観的な物の見方に慣れてしまったが、成長局面では良い点もきちんと押さえないと見誤りそうだと反省した。



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