《めてみみ》経営者の才能

2023/02/14 06:24 更新


 プロテニス選手が国際テニス連盟の定めた4大大会、すなわち全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン選手権、USオープンの全てで優勝することをグランドスラムと言い、さらに4年に1回の五輪・パラ大会でも金メダルを獲得することをゴールデンスラムという。

 1年の間に4大大会と五輪を制覇すると、年間ゴールデンスラムと呼ばれるが、これを達成したのは過去にシュテフィ・グラフ1人だけ。自身のキャリア中に、全ての大会に勝つことを生涯ゴールデンスラムというが、こちらも4人しかしない。

 アンドレ・アガシ、ラファエル・ナダル、セリーナ・ウィリアムス、そして国枝慎吾だ。車椅子独自大会を含めると4大大会56勝、パラ大会では5大会連続でメダルを獲得。21年の東京大会で3回目の金を獲得した。

 生涯ゴールデンスラムはキャリア終盤の22年7月、ウィンブルドン初優勝で達成した。09年から所属契約を結んでいるユニクロの有明本部で引退会見した国枝選手を柳井正ファーストリテイリング会長は「最高のアンバサダー」と称賛する。

 「車椅子テニスを新しいスポーツとして確立した。新しい産業を作ったのと同じ」。柳井会長は国枝さんに「経営者としても才能がある」と見る。誰もやってないことに挑戦する。確かにそんな気概が今の日本には足りない。



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