国内市場が縮小するなか、アフターコロナを見据え、世界を目指すメンズブランドが目立ってきた。ニッチな分野を狙ったアメカジブランド「デラックスウエア」(村松隼人代表)は、いきなり大型展示会に出展するより、SNSからの問い合わせをきっかけに、何度もやり取りを繰り返し、相手の熱量を確認した上で卸販売を開始したという。
22年秋冬から取引が始まった卸先は、ドイツとオーストラリアのセレクトショップ。村松代表は「一気に拡大はせず、じっくりとコアなファンを育てたい」と話す。品番を絞り込み、濃い常連客の心に刺さる商品を提供することで、一人ひとりがどんどん深い沼にはまってもらう戦略だ。
昨秋に韓国ソウルに出店した米国発祥のダウンウェア「ロッキーマウンテンフェザーベッド」を主力にした業態「A'r」(アール)。今回は長年扱ってくれている、信頼関係できる卸先が現地パートナーのFC形式での店舗だ。
アールを運営するサーティーファイブサマーズ(東京)は、国内を縮小し、欧米やアジアなど海外の卸先が大半を占める。同社は輸入卸だったが、自社ブランドを軸にした事業にシフトしてきた。「これからは自社でこだわり抜いて企画・生産したものを海外にも販売する時代」とも。日本の感性・技術が大きな武器になりそうだ。