《めてみみ》上海の春節

2023/01/25 06:24 更新


 中国は3年ぶりに行動規制のない春節(旧正月)を迎えた。先週の上海はスーツケースと年賀を持って虹橋の高速鉄道駅、空港に向かう人で地下鉄2号線は満員。この大移動には驚いたのだが、上海人は「まだ全然、昔より少ない」という。特に未感染者がいる家族は遠出に踏み切れないとのことである。

 新年に入って上海都心部の人出も大いに回復し、南京東路や南京西路はにぎわっている。日系百貨店によると、春節前時点で客数は前年比約5%減までに回復しているという。まだ周辺住民や隣接省に住む人が中心だが、春節を機に観光客を含めた客数の前年超えに期待をかけている。

 話題の商業施設、店舗の開業もあった。南京西路には石庫門建築群の張園が一部商業施設となって再開放された。歴史的な空間にラグジュアリーブランドが多く入居し、SNS映えを狙っての来場は間違いなし。南京東路には海外初のフィギュア販売「魂ネイションズストア」が開店。そのビル一棟が秋葉原のサブカルチャーコンセプトで、子供から大人まで入店している。

 一方、昨年は中国で42の百貨店が消え、南京東路の上海置地広場商厦も1月末に閉店する。3年に及ぶコロナ禍の影響が大きいが、物を売るだけの器はさほど必要とされず、コンテンツ・体験・サービス重視へと拍車がかかっている。



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