年が明けるとバレンタインに向けた新商品やフェア開催の案内が届き始める。「地域初」「日本初」「限定」などの魅惑的なフレーズに、思わず目が留まる。
日本のバレンタインデーは、チョコレートとともに「女性から男性へ愛の告白をする日」として70年代後半に定着したと言われる。その後は「義理チョコ」の文化も広がった。さらに、友人同士の「友チョコ」、男性から女性に贈る「逆チョコ」、自分のために買う「マイチョコ」など、購入動機は多様化してきた。
今年のチョコレートのトレンドとして、自分へのご褒美、エシカル(倫理的)、国産などが挙がる。これらのキーワードはファッションとも類似している。とりわけ、地球環境や動物への配慮、児童労働排除、フェアトレード(公正取引)、トレーサビリティー(履歴管理)の透明性といったエシカルの打ち出しは、例年以上に強まっているようだ。エシカルがキーワードになるのは、裏返せば、調達や生産背景に課題がある証しでもある。
今年は円安や様々なコスト上昇も響く。チョコレートも影響は避けらず、価格は上昇傾向にあり、懐にも厳しい。
特別な商品に出合えるバレンタインは、チョコレート好きにはたまらない時期。ただ、価格上昇や生産背景を考えると、甘いばかりでない、ほろ苦いバレンタインになりそうだ。