丸井の多くの店舗が、正月三が日を休みとし4日から初売りした。三が日を休むのは88年以来、35年ぶりのこと。三が日までではないにしても、元日から2日まで休む店が増えた。働き方改革の良い面が広がっていると感じる。
以前、取材先のチェーン専門店の店長が、「せめて元日くらいは子供と一緒に過ごしたい」と漏らした言葉が今も耳に残る。この時期になると、「彼は元日を休めているのだろうか」とよく思い出す。あれから何年も経ち、お子さんも大きくなったはず。今も休みたいと思うのか、それはわからない。家庭環境が変わるとニーズや気持ちも変わるからだ。
母が他界して以来、正月に家族で実家に集まる際は外食するのが定番になった。しかし今年は出遅れてしまい、気付いた時には近所の手頃な店は既に予約でいっぱい。元日に休む店も増えて、結局外食は諦め、すしチェーン店でテイクアウトした。
ある商社のトップに、「正月に店を開けるべきか、休むべきか」をどう考えるか聞いたことがある。そのトップは即座に「開けるべき」と答えた。「他の日と比べて売り上げが高く、ニーズもあるのに閉めてどうする。売れる時にしっかりと稼ぎ、売り上げが落ちる2月にでもゆっくりと休めばいい」と明快だった。何が正解か。様々な正解があるのだろう。それで良い。