《めてみみ》試される力

2022/11/30 06:24 更新


 今週の上海は、まさに〝冬到来〟の荒れた天候となっている。最低気温が3℃まで下がる予報で、より体調に気を付けるべき時期となった。アパレル業界にとっては、動きの鈍いアウターがようやく活発化するかが待たれる。

 11月の上海は、日中は20℃近い日が多くて暖かで、街行く人は少し厚手のパーカ1枚程度の姿が目立った。疫病で遠出は不可、しかも寒くないので服の売れ行きが鈍いのは当然。11月11日のダブルイレブン商戦のアパレル販売は前年比15%減とECデータ分析会社は推定し、他業種より落ち幅は大きい。自社での集客・売り方を再考すべき段階にも来た。

 しかし中国事業の運営者にとって、今年ほど予想や期待、結果が裏切られることの多かった年はなかっただろう。上海の2カ月にわたる都市封鎖で売り上げゼロを経験。夏は猛暑で自宅にこもる状況。秋には国慶節の大型連休から消費が上向くと期待されたものの、再び防疫対策強化で今に至る。各地でゼロコロナ政策へのデモが起こっているが、その不自由さと経済停滞も影響しているとみていい。

 23年こそは政策転換・景気好転を期待したいが、多くの日系企業は「期待薄」とこぼす。ゼロコロナ政策が徐々に緩和されつつも揺り戻しもあり、24年から明るくなるとの見方だ。この1年をしのぐ体力・知力が求められる。



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