《めてみみ》節目の「独身の日」

2022/11/17 06:24 更新


 中国のEC市場で最大商戦のダブルイレブン(独身の日)が終わった。14回目の今年は、年々伸びていたアリババの売り上げが前年並みにとどまり、京東も同業より良い結果という微妙な表現だった。いずれも初めて数値を公表しなかったため、低調とうわさされ、ある意味で節目を迎えたのかと感じる。

 今年は感染防止の強化と景気停滞が足を引っ張った。商戦の途中にコロナ下で物流が滞っていると報道もされ、尻つぼみになったかもしれない。街中の恒例だった段ボールが山積みの光景は目につかないし、記者は11月11日後に飲料をまとめ買いしたのだが、すぐに自宅に届いたので、上海では物流への負荷も軽かったようだ。

 情勢にも変化が生じている。これまでアリババは圧倒的な商品点数で独走状態で、2番手は自社物流網を持ち配達が速い京東、団体購入で価格が安くなる拼多多が続き、この3社で80%を占めるとされる。しかし今年は京東、拼多多の強みが時代にマッチして顧客利用率が上がりつつある一方、「安くもなく速くもない」アリババは利用者離れが進んでいるという。

 特に京東は都市封鎖の期間に物流を動かし商品を届けようとしたことを上海人も感謝していて、京東で購買する人が増えているのだとか。中国EC市場の変化をまた垣間見た気がする。



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