《めてみみ》人の往来

2022/11/02 06:24 更新


 中国は先月行われた共産党大会終了後から、外国人入国規制緩和へと動き出すようだ。まだ具体的な内容は公表されていないが、日本人からすると、帰省や出張を含め行動制限の緩和は期待したいところ。

 一方、中国人は帰国後隔離10日が原則続くため、ビザなしの海外渡航は当面不可。知り合いの中国人は大いに嘆きつつ、「解禁されたらどの国に行くか」と一刻も早い出国を思い描き、それまで浪費はしないつもりだという。

 大会後、即発表された中国の1~9月GDP(国内総生産)は3%増と改善したが、上海は1.4%マイナス。それより気になるのが失業率で、日米の失業率が3%台なのに対し、中国都市部の7~9月の失業率は5.6%、16~24歳だと9月は17.9%に上がった。物を持っていない世代に働き口がないのだから、消費が活性しないわけで、すでに始まったダブルイレブン販促も低調とささやかれている。

 上海がマイナス成長で全国GDPはプラスとなると、2級以下の地方都市の生産・消費力が上がっているのかと想像したくなるが、親しい中国人いわく「今は都市、地方とも経済は悪い。ごく一部の会社の売り上げが良いだけ。例えば海外で需要が活発になっている旅行用のスーツケースメーカーとかね」。話題は人の往来の活性化に行き着いてしまう。



この記事に関連する記事