《めてみみ》サステイナブルな観光

2022/07/11 06:24 更新


 3年ぶりに行動制限のない夏を迎え、旅行需要の盛り上がりが期待される。久しぶりに旅行を計画している人も多いだろう。

 旅行業界で関心が高まっているのがサステイナブルツーリズム(持続可能な観光)だ。地域の環境や伝統、文化の保全に配慮した観光を意味する。許容範囲を超えた旅行者による渋滞や排ガス・ごみ問題、過度な商業化による弊害が発生したマスツーリズム、オーバーツーリズムに代わる、新しい旅のスタイルだ。

 旅行予約サイトのブッキングドットコムの21年の調査によると、日本の旅行者の82%が「旅行においてサステイナビリティーが重要」と考え、42%が「今後はよりサステイナブルな旅行をしたい」と答えた。

 宿泊施設でも、プラスチックアメニティーを代替素材に変更、地元食材を使った食事の提供、オーガニック原料のタオルやコスメの採用、地域の木材や廃材利用の内外装など、多様な方法で持続可能性を意識した取り組みを始めた。

 ハワイのハナウマベイはコロナ下に立ち入りを制限した結果、水の透明度が高まったという。経済的には打撃が大きかったが、その間に守られた自然や遺跡もある。立ち止まったことを後ろ向きにとらえるのではなく、未来につなげるヒントにする。観光でもファッションビジネスでも同じことが言えるのではないだろうか。



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