《めてみみ》自社の価値

2022/01/26 06:24 更新


 中国の21年GDP(国内総生産)成長率は8.1%と発表された。20年の2.3%を上回ったわけだが、四半期ごとの伸び率は、18.3%、7.9%、4.9%、4%と尻つぼみとなった。20年は秋からリベンジ消費で盛り上がったため、21年は「数字ほどの良さを感じられなかった年」だったと思える。

 下期の鈍化は長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響が根本要因で間違いない。しかし、そこかしこに表れている現象を見渡すと、22年に引きずる懸念材料が浮かび上がっている。

 小売りでは「値引き競争」が強まっている。消費を喚起する目的で実店舗・ECともに頻度高く販促イベントが行われているが、慣れた消費者は「少しでも安いところを求めて買い回る」ため、他店の値引き幅に合わせざるを得ない店が増え、疲弊感も漂っている。提案価格を通せる自社価値やサービスが必須になっている。

 繊維輸出は2ケタの増勢で、素材メーカーや工場は潤っていると思いきや、「実は利益が出ていない」と聞く。原因は原料・物流・電気光熱費の上昇。特に電力料金は、消費量の多い工場に対して倍以上の増額となっている模様。加えて、数カ月前の使用分も上乗せ請求されたとの話もある。22年は様々なリスクを細やかに読みつつ、自社の価値をどう出すかが必須になっている。



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