新型コロナウイルス感染者が大幅に減少している。数カ月前までは過去最多を更新していたが、最近は過去最少の記録が続く。緊急事態宣言が全面解除され、東京都でも飲食店の営業制限が解除されて以来、街や店に活気が戻りつつある。ファッションビジネス業界にとっても喜ばしい。
問題は感染者数減少の理由が明確ではない点。ワクチン接種の広がりや人々のマスク着用、手洗い、消毒の徹底に加え、商業施設・店舗を含めた各所での感染防止策の効果はあるだろう。ただ、「科学的根拠」が明確でなく、多くの専門家が分析に必死だ。「第6波」に備え、今こそ科学の力で原因を究明しなければならない。科学の役割の重要性を痛感する。
コロナ下で、科学や医療を中心に様々な分野の社会的役割が再認識された。ファッションビジネスで再認識された役割も大きい。それは新しい服の提案や店舗での販売スタッフと客との会話などを通じて、客に心の豊かさを提供し、笑顔にすることだろう。
街に活気は戻りつつあるとはいえ、ファッションの売り上げは依然厳しい。コロナ下で見えた客のライフスタイルやニーズの変化を捉えながら、再認識された役割を発揮するため、接客を含めた提案力に磨きをかけて、売り上げの回復につなげたい。感染者数が減り、気温も下がった今がチャンスだ。
