《めてみみ》希望を届ける

2021/01/08 06:24 更新


 例年であれば、この時期はすでに欧州へと旅立っている。しかし、メンズコレクションのスケジュールが大きく変わり、何十年ぶりかの日本での年初となった。

 1月の恒例行事はメンズインポート市場の今後を占うピッティ・イマージネ・ウオモ。しかし、今年は2月にフィジカル(リアル)の展示会を行い、1月はデジタル形式での開催が決まった。デジタル形式のオープニングイベントでは、イタリア・ソロメオ村から「ブルネロ・クチネリ」が新作を披露する。ブルネロ・クチネリは、ソロメオ村に雇用を生み出し、持続可能なファッションビジネスを推進する企業。新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)期間中も、クチネリ氏は世界に希望のメッセージを発信し続けた。

 希望を発信するという意味では、日本ブランドの活躍にも期待したい。オンラインのピッティ・ウオモに続いて開催されるパリ・メンズコレクションには、新たに日本から3ブランドが公式スケジュールに名を連ねた。ショーを再開する「カラー」のほか、「ターク」や「キディル」が参加する。

 今年もコロナ下でのコレクション発表の継続が予想されるが、デザイナーには新しい美しさで世界を驚かせてほしい。物作りに携わる人々の真摯(しんし)な姿勢が、世界へ希望を届けることになると信じている。



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