《めてみみ》地方の個店のチャンス

2021/10/04 06:24 更新


 コロナ下でも北関東の個店が元気だ。緊急事態宣言などの影響で、今まで東京まで洋服を買いに行っていた客層が地元の路面店を見直し、再発見したことがあるようだ。「既存の常連客に加え、これまでアプローチしきれていなかった新規客が増えたことが大きい」と夏に何人かのオーナーから聞いた。

 ある店では、近隣の県から車で来店する若い世代も増えた。特にハイブランドを求めて来店する男性客が増え、新作の入荷日には行列ができることもあったという。そこの店はマス向けの低価格な日常着ではなく、富裕層向けの高額なハイブランドを扱ってきたことも地方都市では追い風になったようだ。

 ECやSNSなどデジタル戦略を強化しただけでなく、店頭重視の戦略を貫き、日頃からコツコツと地元の常連客と店頭スタッフとの信頼関係を深めてきたことが厳しい環境を救ってくれたのだ。

 こうした流れは一過性のものだろうか。これまでのような東京一極集中に近い流行の発信やファッション消費の在り方は変わっていくだろう。キャンプブームなど自然回帰の流れをはじめ、地方への移住、多様な働き方など生活スタイル・価値観の変化にも拍車がかかっている。アフターコロナでは、人と人のぬくもりが伝わる対面販売を強みとする地方の個店にとってチャンスかもしれない。



この記事に関連する記事