《めてみみ》サポートデスク

2020/08/12 06:24 更新


 全国各地の地方自治体などが物作りサポート窓口を設けている。生産面でのアドバイスをしたり、場合によっては地元の工場を紹介し、地場産業の活性化につなげるものだ。気軽に相談できることは便利なのだが、閑古鳥の鳴いている窓口も少なくないようだ。

 そんなサポートデスクの1人から、コロナ禍以降に問い合わせが急増したと聞いた。多いのが、中国で作っていた商品を国内生産に切り替えたいという相談。「小売価格3000円程度のブランケットを1000円で作れる国内工場を紹介して欲しい」などの声だ。「国産ならゼロを一つ加えないと無理ですよ」と回答すると、先方は驚いた声を上げる。

 続けて聞くと、先方はアイデアや企画を考えて、ノベルティー会社やEC企業に売り込む仕事。実際の生産は、浙江省・義烏の会社などにメールなどで連絡し輸入していたらしい。会社名や名前を聞いても名乗らない人が大半という。

 「物作りの知識は無くても安易に稼げたのですね。もちろん、今後はこんなビジネスは成り立ちませんけど…」とサポートデスク。時には失礼な質問者もいるようで、ストレスがたまるでしょうと聞くと、「いえいえ、何十件に一つくらい、売り手と買い手が本当に喜ぶマッチングが生まれる。それが何よりもうれしいこと」と笑顔が返ってきた。



この記事に関連する記事