上海市内はコブシに続き桜が咲き始めた。日本同様に、例年より早い開花と言えそうだ。市内は閉鎖されていた公園も開いた。近所の公園へ行ってみると、暖かい日射しに誘われマスクをした多くの人々が訪れていた。ベンチに座り太陽光を吸収しようとする人、運動をする人、楽器の練習をする人、おしゃべりを楽しむ人。いつもの喧騒(けんそう)が戻ってきた。
街中も、いつもの週末に比べれば少ないが、おしゃれをして歩く女性の姿も目立った。店をのぞくと、買い物をしている人は外を歩く人より少ない印象だった。久しぶりの解放感を味わいたい人が多いのだろう。商業施設に人が戻ってくるのには、まだ時間がかかりそうだ。
国内での感染者拡大が減速し、現在は感染者入国対策に力を入れている。日本同様に重点国からの入国者は14日間の隔離が求められている。上海は23日、その対象国から日本を除外した。ただ、入国時は全員が新型コロナウイルス核酸検査を受ける必要がある。隔離を厳格化した当初は検査結果確定まで最大で30時間の待機を強いられる場合もあったという。
検査対象が拡大したことで、入国にどの程度の時間を要するのか、今のところ情報は無いが、上海市は検疫政策を随時見直すとしている。ウイルスは見えないので油断は禁物。用心しながら花を楽しみたい。