「近未来のSCを考える」と題した本日付の特集からは、〝消費する場〟だったSCの立ち位置がずいぶんと変化したことがわかる。読書スペースや教育施設の導入、子育て支援イベント、各種コミュニティーの立ち上げと物販・飲食以外の機能を強化するSCが目立つ。
地域の企業、団体との協業企画も増えた。地域社会のインフラ施設として消費する場だけではなく、「〝サードプレイス〟が目指すべきSC」との認識の高まりからだろう。加えて、働く場としての〝セカンドプレイス〟を改善する動きも広がっている。
販売員不足を背景に、営業時間の短縮や休館日を増加するSCが徐々にだが、増えている。各テナントスタッフが他のテナントを推薦したり、モニター調査するSCもある。SCの魅力を共に高めていく仲間という考え方がベースにある。スタッフ懇親会も日々の業務を労う趣旨から、共に楽しむ内容に変わってきたようだ。
少子化・高齢化が進み、販売員不足の解消は簡単ではない。デジタル技術を活用した少人数運営が近未来のSC。そう想像する人も多いかもしれない。しかし、リアルの魅力は、多様な人が集い、交流する場としての活気だろう。テナントスタッフと共に地域社会のインフラ施設としての魅力を高めていく。この重要性は、これからも変わらないはずだ。