9月も半ばを過ぎたというのに、東海や西日本では連日30度超えの暑さが続いている。飼い犬の毛が生えかわり、夏の毛になったのが8月上旬。いつもより1カ月ほど遅かった。暑さをしのぐための夏の毛は、例年よりも長く必要だと野生の本能が感じたのだろうか。この先もしばらく暑そうだ。
不振だった7月から一転し、8月は夏物の最終セールや初秋物が動き、アパレル商戦は持ち直しつつある。9月もここまでは悪くない。長引く残暑も、天候に応じた機敏な対応力や弾力的なMD力で乗り切ることもできる。
ただし、10月の消費増税の影響が見通せない。駆け込みを意識した販促も行われているが、「増税前の」とうたっても消費者の関心は鈍く、一部の高額品を除いては化粧品や本当に必要なものに絞られている。駆け込みが期待できない分、増税後の反動減の心配もないのだろうか、「アパレル製品への増税による直接の影響は限定的」という見方もある。
関東に9日、上陸した台風15号は、各地に大きな被害をもたらした。この先も台風の接近や上陸の可能性は常にある。週末に直撃されれば、土日の商戦が吹っ飛ぶ。増税のような期日の決まった衝撃ならある程度、備えもできるが、台風は予測不能。アパレル企業のトップは、「増税よりも台風が怖い」と本音をのぞかせる。