《めてみみ》ファッションの渋谷へ

2019/08/22 06:24 更新


 東京・渋谷で大型商業施設の開業が相次ぐ。11月1日に渋谷駅東口直結の渋谷スクランブルスクエア、同月22日に渋谷パルコが新施設としてオープン、12月には駅西口前に新しい東急プラザ渋谷ができる。来春には三井不動産が宮下公園の再整備と一体化した複合施設を開業する予定だ。

 今秋冬に開業する3施設はいずれも、オフィスゾーンを備えた複合ビル。街に就業者がさらに増える。渋谷スクランブルスクエアは屋上と上層階に大型展望施設を作り、渋谷パルコは劇場や映画館など複数のエンターテインメント施設を揃える。三井不動産の新施設はホテルも導入する計画だ。国内外の観光客を含め、幅広い層が来街するだろう。

 注目すべきは大半が「時間消費」機能を備えながら、ファッションの提案を重視している点だ。渋谷スクランブルスクエアと渋谷パルコは海外ラグジュアリーや日本人デザイナーブランド、日本の有力セレクトショップを積極導入する。渋谷パルコは次世代ファッションブランド・デザイナーのインキュベーションを目的とした売り場も作る。

 ここ数年で開業した商業施設の多くはコト消費への対応を重視し、ファッションの比率を抑えている。その中で、渋谷の新施設が街としてのファッションの発信力をさらに高めていくことを期待したい。



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