建築家の隈研吾、ミュージシャンのサカナクションの山口一郎、「アンリアレイジ」の森永邦彦による展覧会が東京・京橋で開かれている。紹介するのは、建築とファッションと音楽のジャンルを超えた作品だ。
ファッションデザイナーにとって建築は、クリエイションを刺激する要因の一つ。これまで何人ものデザイナーが建築からインスピレーションを得てきた。20年プレスプリングの展示会でも、「アキラナカ」がロンシャンの礼拝堂を背景にしたコレクションを見せた。ロンシャンの礼拝堂は、ル・コルビュジエによる建築。彼の近代建築とは異なる彫刻的造形で知られる。
「エメス‐パリ」はパリを拠点にする前濱進作が、ウェディングドレスに特化してスタートしたブランド。「アンティークエレガント」をコンセプトに欧州で織られた生地と、収集した100年以上前のアンティークレースでドレスを製作する。新たに開設した東京・要町のショールームは、池袋モンパルナスの流れをくむフランス風建築の一室。どこか懐かしさもある美しい空間で、客の要望を聞きながら新しいウェディングを提案する。
建築とファッションの切り離せない関係とともに、近頃のショップデザインに思いをはせる。デザイナーの交代劇とともにがらりと変わるショップ。そのビジネス手法やいかに。