「国内外から訪れる人が絶えない富士山をイメージしている」。百貨店の理想の顧客構成を問うと、阪急阪神百貨店の山口俊比古社長はこう答えた。常に新規客を呼び込み続けているからだという。限られた顧客のみが対象なのではなく、「裾野が広く、頂は高い」形。それが阪急うめだ本店の目指す姿と重なった。
頂を高くするため、今春、国内外の富裕層のさらなる獲得を狙い、「阪急ラグジュアリー」を構築した。ラグジュアリーブランドをインストア旗艦店化して、VIPサロンを充実した。同ゾーンは各カテゴリーとも大幅な伸びを示し、買い回り効果が他フロアへ及んでいる。
裾野を広げる新規客獲得策にも余念がない。9階祝祭広場のイベントはその一つ。「文具の博覧会」や、過去最高売上高を更新した7月の「ハワイフェア」など、幅広い客層を集客している企画は多い。6月に初開催した老舗の菓子などを集めたイベント「あられ、せんべい、いとをかき。」も盛況だった。
顧客の高齢化が進み、新たな客層の獲得に苦慮する百貨店業界。売上高、入店客数の減少が続けば、閉店にもつながる。人口減少時代だからこそ、新規客の獲得はなおさら重要になる。同業他店と比べて、阪急うめだ本店の客層は見るからに若い。「裾野の広さ」は、百貨店の将来に関わる重要なポイントだ。
