いきなり連日の30度超えで体が重い。長い連休で崩れた生活のリズムが戻らぬまま、暑さに体が慣れていないようだ。まだほんの夏の入り口なのに。
消費税率の引き上げまで5カ月を切った。予定通りなら10月1日に、軽減税率が適用される食料品などを除いて10%に上がる。5%から8%になった14年は、駆け込み需要の大きな手応えもないままに、反動減で消費の低迷が長引いた。ファッションビジネス業界は相当身構えていたにもかかわらず、受けた影響は大きかった。
今回の税率引き上げに対し、今のところ業界の動きは鈍い。小売業は影響を覚悟しているものの、どう対応するのか決めかねている。キャッシュレス対応も他店の動向を探る企業が多い。アパレルメーカーは小売店からの要請待ち。税率引き上げによる落ち込みを抑えるため、新しい商品やサービスを開発しようという動きは見られない。
8%から10%への引き上げは「わずか2%」との見方もある。だが、今夏も昨年と同様に厳しく長い暑さなら、残暑のさなかでの税率引き上げとなる。暑さが残り、駆け込みで売れる商品は限られ、10月は買い控えが予想される上に、冬物が売れるほどには気温は下がっていない。
夏物商戦で体力を蓄え、秋冬に向けて需要喚起を練らないと、長い夏の出口には10%の衝撃が待っている。