島精機製作所が20年度までの3カ年経営計画を1年で大幅に見直した。一番の見込み違いはシューズのアッパー用途横編み機の苦戦だろう。前期は約3000台売れたが、今期は1000台未満と大きく落ち込む予想。この間順調で「ハイブランドのシェアは確保できた」が、ボリュームゾーンのシェアが取れなかった。安価な中国品との競合が激しくなった。
紡毛紡績大手のノヴェテックスは昨年、香港で繊維リサイクル工場を立ち上げた。工程の大半を自動化したスマートファクトリーだ。ここで採用した最新設備はほぼ中国メーカー製。「最新技術への対応がすごく速いし価格が安い」と担当者。ある日系縫製工場はIoT(モノのインターネット)を活用して各工員の作業内容を把握、生産効率を高め、「安くて高機能」と中国繊維機械メーカーの製品の購入を増やしている。
しかし中国繊維機械メーカーの業績は必ずしも順調ではない。増収基調も利益面では苦戦が目立つ。価格競争に陥り、単価ダウンを招いたためだ。
大量生産型から適時適量生産型に物作りが大きく変わりつつある。島精機製作所は変化を捉えた無縫製横編み機「ホールガーメント」が好調。修正後の中計では当初の販売台数を上方修正した。中国メーカーに安さではかなわなくても、技術革新や開発速度で負けてはいけない。