30年に及ぶ「平成」があと6日で終わり、新元号「令和」に変わる。若い世代には記憶がないだろうが、前回の改元は天皇崩御に伴うものだったため、その前後に「自粛ムード」が広がった。音楽やスポーツなどの娯楽イベントが中止になったり、営業を休止する小売店も多かった。消費も停滞した。
今回は様相が全く違う。現天皇の生前退位と新天皇の即位を祝賀するムードが広がり、既に新元号にちなんだ商品の販売やイベントも相次ぐ。
何より、即位の日などがゴールデンウィークに重なり、10連休になるのが前回の改元時との大きな変化。旅行などレジャーを中心に消費が活発になることが期待される。
ただ、ファッションビジネス業界の改元祝賀と大型連休への期待感は薄いようだ。繊研新聞社が実施した「FB景況・消費見通しアンケート」によると、改元・大型連休があっても、4~6月のファッション消費が「良くなる」との回答は全体の15%にとどまった。消費マインドは上がるとはいえ、大型連休で消費のモノからコトへのシフトが加速し、ファッション消費に影響を及ぼすとの見方が多い。
とはいえ、業界は手をこまぬいていてはいけない。商業施設の多くは連休中、例年以上に集客イベントを強化する。祝賀ムードを前向きに捉え、新規客を獲得するきっかけにしたい。