SNSで影響力を持つ人たち、いわゆるインフルエンサーを中国では「KOL」(キー・オピニオン・リーダー)と呼ぶ。日本の企業も中国で顧客を増やし、売り上げを伸ばすためにKOLをマーケティングに起用する事例が増えている。
ユニクロもその一つだ。上期、中国大陸のビジネスが増収増益となったが、ブランディング、デジタルマーケティングに力を入れてきたことに加え、KOL経由の情報発信が実ったことが好業績につながったという。
ただこの手法は中国進出をもくろむ全ての小売業に有効というわけではない、という見方を先日、ある専門店から聞いた。いわくトレンドに敏感な客層向けにはそれでは響かないのだとか。
では、どうするのかと聞くと、香港や欧米で幼少期を過ごした若い世代の中国人が今、上海に集まり、一種のコミュニティーを形成し、仲間内で楽しいもの、新しいものを見つけて楽しんでいるそうだ。
彼らの着る服や持ち物、ライフスタイルに憧れる中国人消費者もすでにかなりいて、海外ブランドやショップが彼らにイベントや店作り、協業を持ちかけるケースも増えているらしい。中国出店を考えているその専門店は、マス層向けのKOLマーケティングだけでなく、その上海コミュニティーとも組んで、コアなファン作りもしたいと考えているそうだ。